エレクトーンの基本のキであるタッチトーン、まだまだ難しいとぼやいてはいませんか?
エレクトーン独自のアフタータッチ、そしてもうひとつホリゾンタルタッチがありますが、けっして難しくはありません。
そこで今回は、楽器のリアルな音色がより深く楽しめるホリゾンタルタッチの弾き方をしっかりマスターしましょう。
ホリゾンタルタッチとはどんな弾き方?
ホリゾンタルタッチは、エレクトーンの基本の弾き方というよりはちょっと応用編といった奏法です。
ホリゾンタルタッチの奏法が出来るエレクトーンの機種は限られていて、EL-900以降、ステージアシリーズの機種のみです。
ここでちょっとおさらいしてみましょう。
先にご紹介したイニシャルタッチとアフタータッチ、どちらも鍵盤を縦に押す弾き方でしたね。
・イニシャルタッチでは鍵盤を押して叩く瞬間の打鍵力で音の強弱をつける効果
・アフタータッチは鍵盤を押した後の鍵盤を押す力でその楽器らしい表現ができる
ところが、ホリゾンタルタッチはまったく違います。
ホリゾンタルのもともとの意味は、「地平線上の・水平面の・平面の」です。
エレクトーンのホリゾンタル奏法は、鍵盤を横にゆらす弾き方です。
鍵盤を横に揺らすとはいっても、大げさに横に揺らす必要はありません。
ホリゾンタルタッチって演奏上どんな効果があるの?
音色にビブラートをかける効果
とくにチェロやバイオリンなどの弦楽器でよく使われます。
ホリゾンタルタッチではビブラートを入れたり、止めることができます。
チェリストやバイオリニストは、手と弦でこれを表現しますが、エレクトーンは指1本で自由自在にコントロールできるので便利ですね。
音程を微妙にずらすピッチベンドの効果
バンド演奏でエレクトリックギターのソロのパートでよく使われます。
これができるとカッコいい演奏ができて、一目置かれる存在になりそうです。
音程を1オクターブ上げる・下げるリップスラーの効果
リップスラーは、ビッグバンド系のジャズでよく使われる奏法です。
トランペットやトロンボーンなどの金管楽器では、音程が1オクターブ上がったり、下がったりする奏法です。
ホリゾンタルタッチができる楽器は?
ホリゾンタルタッチは、エレクトーンのどの音色でもできるというわけではありません。
ホリゾンタルタッチに向いている音色
エレクトリックギター・トランペット・トロンボーン・チェロ・バイオリンなど
ホリゾンタルタッチに向いていない音色
ピアノ・エレクトリックピアノ・マリンバ・アコースティクギターなどの減衰音の楽器
それでは次にエレクトーンのホリゾンタルタッチの弾き方を実践してみることにしましょう。
ホリゾンタルタッチのトレーニング
ステップ1 音色にビブラートをかけるトレーニング
・上鍵盤のリートボイス1以外の音色の音量をすべてMIN (音が出ない状態) にします。
・リードボイス1からバイオリンの音色を選び、液晶画面からCello(チェロ)を選びます。
・左端の下のボタンでもう1度Celloを選択すると、ページ1・2・3と表示されます。
・チェロの音色の1ページ目に左から3番目にPITCHの下にHORIZONと表示されています。
HORIZONのかけ具合がゼロ(MIN)の状態になっていると、ビブラートが効かないので、これを目盛り1~2に設定しましょう。
・上鍵盤の「ソ」の音をゆっくりと下に押さえます。最初の4拍はそのまま押さえた状態にして、5拍目からはゆっくりと横に軽めに鍵盤を揺らしましょう。
チェロの音色にビブラートが自然にかかる効果が得られます。
鍵盤を横に揺らすのをやめると、一直線の音になります。
※リードボイス1には、チェロの他にもバイオリン・胡弓の音が入っています。チェロ以外の楽器でも試してみましょう。
ステップ2 ピッチベンドをかけるトレーニング
トランペットの音にピッチベンドをかけて音程をずらす練習です。
・上鍵盤はリートボイス1以外の音色のボリュームをMINに設定します。
・リードボイス1からトランペットの音色を選び、もう1度押します。
・トランペット1の1ページ目のPITCHの下にHORIZONの目盛りを2~3に設定します。
・上の「ド」の鍵盤を思い切り右横にずらすと半音から1音 (全音) 音程が上がります。思い切り左に鍵盤をずらすと音程が半音から1音 (全音) 下がります。
ステップ3 リップスラーをかけるトレーニング
今度は、指1本で音程を1オクターブ上げる・下げる練習です。
・上鍵盤はリードボイス1のみ使うので、それ以外の音色のボリュームを全部下げます。
・リードボイス1からトロンボーンを選択して、もう1度ボタンを押すと1ページ目が出ます。
・PITCHの下にHORIZONの目盛りをいちばん上のMAXに設定します。
・上の「ド」の鍵盤をストレートに右横にずらすと1オクターブ上、左にずらすと1オクターブ下の音程になります。
ステップ2と3では、弾き方自体は同じですが、HORIZONの目盛りの調整の仕方で音程が自由にコントロールできます。
ビッグバンド系のジャズではリップスラーの奏法はそう頻繁に使われることはありません。1曲の途中で1~2回出てくる程度です。
エレクトーンの基本の弾き方としては、ホリゾンタルタッチは少し難しいと感じるかもしれません。
しかし、これをうまく活用すればプロのミュージシャンらしい演奏が指1本で自由自在にできます。ぜひしっかりマスターしておきたいですね。
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