エレクトーンで1曲演奏するのに、単に楽譜通りに弾くだけでなく、もっと豊かに表現したいと思いませんか?
楽譜に書いてある通りに弾くなら、基本的な奏法を身につければ誰にでもできるけれど、エレクトーンには音色・リズム数が多いので、もっと自由に発想を広げたいですね。
そこで今回は、エレクトーンの音色とリズムの選び方とイメージ作りについて考えてみたいと思います。
1曲弾く前にイメージ・トレーニングがとても大切
前回にもお話した通り、今回は「聖者の行進」というスタンダードな楽曲を演奏することにしました。コードネームとコード進行、左手とベースの動きについては、理解できたことと思いますが、曲を弾く前のイメージ作りの重要性についてお話しましょう。
「聖者の行進」という言葉、この楽曲からどのようなイメージがありますか?
人それぞれ発想力や表現力にも違いがあるので、異なるイメージが出てきて当たり前ですよね。
豊かな表現力を引き出すには、まずはここからがファーストステップになります。
実はエレクトーン演奏では、単に演奏のテクニックだけではなく、自由な発想・イメージがとても必要です。
「聖者の行進」について軍隊が整列して勇ましく歩く姿をイメージする人もいれば、陽気で楽しい雰囲気をイメージする人もいます。
どのイメージが正しくてどれが間違っているということはありません。
自分が描いたイメージをモチーフにして、自由に発想を広げていけば良いのです。
絵を描く時に自分がイメージしたものをキャンパス上で表現する、エレクトーンもそれと同じです。
「この曲はこんなイメージだから、こんな音色・リズムで表現しよう」と自由自在に描くことができる、それがエレクトーンならではの魅力ですね。
テクニックがまだまだついていかなくても、自由な発想力があれば演奏技術を超える可能性ももちろんあります。
思いっきりジャジーに演奏するならどのリズムと音色を選ぶ?
「聖者の行進」をどんな雰囲気にしたいか、どんな演奏をしたいか考えてみましょう。
ふだんからジャズ演奏をよく聴く人なら、思いっきりジャジーな感じにしてみてはいかがでしょうか。
そこで、「どうすればジャズっぽく聞こえる?」と発想を広げてみましょう。
一口にジャズといっても、ジャズのジャンルは実に多岐に渡ります。
もっともオーソドックスなところではビッグバンドジャズとスイングジャズですが、この他にも実はこんなにたくさんジャズの種類が存在します。
モダンジャズ・ラテンジャズ・デキシーランドジャズ・ファンク系ジャズ・コンテンポラリージャズなど、同じジャンルでもこのように多彩なバリエーションです。
どんなジャンルにしても、「音楽を自由なスタイルで楽しみ、ところどころに感想やアドリブを散りばめる」というジャズのスタイルは共通しています。
ジャズは年を追うごとにどんどん進化していますが、20世紀初頭に流行したデキシーランドジャズは、ラグタイム独特のリズムが陽気で楽しい雰囲気です。
デキシーランドジャズでは、トランペット・ピアノ・ベース・ドラム・クラリネットといった楽器編成です。
スイングジャズが流行の兆しを見せ始めたのはそれから20年後の1930年代以降、少人数編成のデキシーランドジャズとは違い、大人数で演奏するスタイルです。
エレクトーンで「聖者の行進」をジャジーに演奏したいと思ったら、リズムパターンの「スイング(SWING)」のボタンを押してみて下さい。
EL-900には、SWING1~6・Jazz Ballad (ジャズバラード) ・Dixieland (デキシーランド)1・2と全部で8種類もあります。
その中から、自分が描いたイメージに合うリズムパターンを選んでみましょう。
最新のステージアシリーズのエレクトーンだと、SWINGのリズムの種類はさらに増えていると思います。ジャズに限らず、次から次に新しいジャンルの音楽が登場しています。
行進曲のイメージで演奏するならどんなリズムと音色を選ぶ?
「聖者の行進」の名の通り、行進曲のイメージで演奏する場合は、リズムパターンからマーチを選択しましょう。
行進曲は、兵隊たちが歩く速度を揃えて規則正しく勇ましく前進するイメージですね。
ブラスバンドでマーチの曲がよく演奏されますが、トランペットやチューバなどブラス系の楽器が登場します。
そんなイメージを描きながら、音色とリズムを選んではいかがでしょうか。
マーチで演奏する場合は、リズムパターンから「MARCH (マーチ) 」を選び、さらに9種類あります。
MARCH1~3・POLKA1~2・Country1~2・Broadway1~2の9種類です。
Broadwayはミュージカル風、POLKAは可愛らしい雰囲気、Countryはカントリーミュージックです。
行進曲のイメージにもっとも近いのはMARCH1または2で、MARCH3は「となりのトトロ」の「さんぽ」のような三連符のマーチです。
音楽のジャンルやリズムによって、リズムパターンや音色の選び方もまったく変わってきます。選択肢が多い分、自由に発想を広げられます。
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