右手・左手・ベースの弾き方について一通り学んできたけど、なにか物足りない、もっと表現力を身につけたいと思い始めてはいませんか?
エレクトーンで表現力を意識するようになったら、それは演奏が少しずつ上達してきた証拠です。
そこで、今回エレクトーンで表現豊かに演奏するアーティキュレーションについてマスターしましょう。
そもそもアーティキュレーションって何?
エレクトーンの演奏では。アーティキュレーションという言葉が頻繁に出てきますが、そもそもどんな意味かご存知でしょうか。
アーティキュレーションとは英語で「articulation」、簡単に言えば音楽に表情をつけることです。
音楽は芸術ですから、単に楽譜に書かれたフレーズを機械的に弾くだけでは音楽の良さが伝わりません。
たとえば、ドラマや演劇を観ていて、悲しい場面なのに役者さんがセリフを棒読みしていたのでは何も伝わらないですね。
観客を笑わせる面白い場面なのに、直立不動でセリフに抑揚がなければつまらないですよね。それと同じことがエレクトーンの演奏にも言えます。
アーティキュレーションとは、固い言い方をすると「音楽としての形を整えた上で演奏すること」です。
わかりやすく言えば、音に表情をつけてより立体感と奥行きをもたせることです。
アーティキュレーションの種類は?
エレクトーンでアーティキュレーションをつける場合、どんな種類があるのでしょうか。
強弱をつける方法
エレクトーンで強弱をつける時はおもに2つの方法があります。
・メロディーのタッチトーンを強く弾く方法(アフタータッチ・イニシャルタッチ)
・エクスプレッションペダルを使う方法があります。
メロディー自体に表現をつける方法
・スラー (メロディーをなめらかに弾く方法・レガートとも言う)
・スタッカート (メロディーを元の楽譜の音符の長さよりも短く切って弾く方法・スラーやレガートとは対照的な弾き方)
・スタッカティシモ (スタッカートよりも短く鋭い感じの弾き方)
・メゾ・スタッカート (スタッカートよりも長く・テヌートよりも短く弾く)
・テヌート (ひとつひとつの音を保って弾く)
・アクセント (ひとつひとつの音を強調するイメージ・強く弾く)
この他にもいろんなアーティキュレーションがありますが、まずはここまで基本をしっかり押えておきましょう。
アーティキュレーションで表現の幅を広げるトレーニング
エレクトーン演奏でアーティキュレーションを上手に表現するために、ここから先はトレーニング開始です。
上鍵盤の1オクターブ上のドレミファソの音を使って、トレーニングしましょう。
トレーニング1 アクセント・テヌート・スタッカート・メゾスタッカートの表現
エレクトーンで豊かな表現を身に着けるためのファーストステップは、アクセント・テヌート・スタッカートの違いをマスターすることです。
【1】 ドレミファソファミレ・・・のフレーズ、最初の1小節目から2小節目までアクセントで。1つ1つの音をはっきりと強く目立たせるようなイメージで。
【2】3小節目から4小節目まではテヌートで。1つ1つの音を大切に保ちながら弾きます。ただし、レガート(スラー)のようになめらかにつなげて弾くわけではありません。
1つ1つの音は独立した感じで演奏するのがコツです。
【3】5小節目から6小節目まではスタッカートで。1つ1つの音をリズミカルに跳ねる感じで弾きましょう。
【4】7小節目から8小節目まではメゾスタッカートで。スタッカートよりもやや長めに音を切って弾きます。
【5】最後のドは全音符なので、もともとは4拍伸ばすのですが、音符の上にフェルマーターがついています。
フェルマーターは、音符の元の長さをよりも長く伸ばすことを意味します。ここでは、元の音符の長さの2倍、8拍分伸ばして演奏しましょう。
楽譜の終わりの音を弾く時は、とくにアクセントをつけたり、その音を強調するのは不自然ですね。
指の力を抜いて優しく終わるイメージです。
ただし、その時に弾く音色によっては、タッチトーンを強く弾く場合もあります。音色によって弾き方が変わってくることもあるので、臨機応変に柔軟に対応できるようになれば、表現の幅がより広がってきます。
トレーニング2 スラー・メゾスタッカート・スタッカティッシモの表現
スラーとメゾスタッカートとスタッカッティシモ、この3つの弾き方を上手に使い分けるトレーニングです。
【1】最初の1小節目から2小節目までの「ドレミファソファミレ」の音のアーティキュレーションは、スラー (レガート) です。
スラーで弾く時は、1つ1つの音をつなげてなめらかに演奏しましょう。楽譜を見ると、スラーが最初の1小節目のドから2小節目のレの音までかかっているので、ここまでは音を切らずになめらかに演奏します。これは、スラーの始点が1小節目の頭のド、終点が2小節目のレであることを意味します。
【2】3小節目から4小節目のアーティキュレーションは、メゾスタッカートです。メゾスタッカートは、スタッカートよりもやや長めに音を切って弾きますが、ここではメゾスタッカートの記号にスラーがかかっています。
1つ1つの音を軟らかく長めに切るようなイメージで演奏してみましょう。
【3】5小節目から6小節目までは、スタッカティシモで弾きます。スタッカートよりもさらに短く鋭く切って弾くイメージで演奏しましょう。
【4】最後はフェルマーターでドの音を8拍分伸ばして終わります。
このトレーニングでは、ドレミファソファミレ・・・という単純なフレーズをさまざまなアーティキュレーションで表現する練習です。
ドからレの音に移動する時、レからミの音に移る時に、音をどんなイメージで表現するか、この表現が上手にできればエレクトーン演奏がより楽しくなります。
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